はじめての方へ

東宝ホームのホームページへ初めてご訪問いただいたお客様にご覧いただきたいページを集めました。

会社案内・IR情報

地域密着で取り組む住宅メーカー。
安定した経営と確かな家づくりを続け、
快適な住まいを提供いたします。

東宝ホーム 本社会社案内・IR情報社長の月刊Blog
令和6年7月27日 漂流郵便局

テレビで漂流郵便局の存在を知った。
宛先に届けられない人への郵便を受け付けてくれる特殊な個人のボランティア
郵便局である。
破局になった恋人へのラブレター、亡くなった人への手紙、色々な想い、伝えたい
気持ちを受け止めてくれる私設郵便局です。
手紙を出したい人からするととても有難いし、心が安らぐ仕組みです。
本当は相手には届かないかもしれないが、日記で書き留めるだけでなく、相手に
出せる、出したという現実を感じられる。それだけで相手とまだまだ繋がってい
る感覚に浸れる。
この郵便局の存在は、家内が元気だったころ耳にしたことがありました。
その時は、ロマンチックでなかなかいい試みだなぁと思っていました。
家内が亡くなった今の現実からの感想は、ロマンチックという他人的な感覚で
無く、手紙を出すことで生きる希望をもらえるという不思議で太陽のような
活力源のように思えます。
私の妻とは婚約期間中の3年間、遠距離恋愛だったものですから、お互いに手紙で
頻繁に交流しました。
今また天国と現実の遠距離恋愛に戻りましたが、出すところができただけでも
彼女と繋がっている感覚を感じられ、悲しみが和らぎ、希望が生まれます。

漂流郵便局の中田局長からお手紙をいただきました。
ご年齢が90歳、いつまでもご健在でこの郵便局を続けてもらいたい、後進がこの
思想を引き続けて欲しいと勝手な返事を書きました。
個人の費用で運営しているのに、勝手なお願いです。でも何とかしてこの郵便局、
漂流郵便局がいつまでも続くことを祈っています。
救われる人が沢山いるのですから。
香川県、瀬戸内海に浮かぶ粟島、近いうちに訪れたいと思っています。

2024.07.27 11:00 | 固定リンク
令和6年7月4日 野菊の墓 

『野菊の墓』の漫画本が新発売される新聞広告が出ていた。
私の年代なら、高校生の頃には必ず読んだ純愛小説である。
今の時代に合わない内容なのに、なぜか漫画で新発売?と思うと同時にもう一度
読み返したくなった。
早速図書館で借り、読んだ。
主人公は、政夫と民子、民子が2歳年上の従姉。兄弟のような幼馴染。
仲良しにいつの間にか恋が芽生える。世間体を気にする大人たちのために隔てられ、
政夫は町の中学へ、民子は他家に嫁ぎ、流産しそれが原因で病死する。
亡くなった時に民子の手に握られていた、政夫の写真と政夫からの手紙。
とめどもなく涙が溢れた。
二人は不純な関係でなく、お互いが思いを寄せるプラトニック、できれば将来
結婚し、暮らしたい。
口頭約束は交わしていないが、二人ともそれを望んでいる。でも2歳上という、
現代なら何でもない事柄が大きな障壁になり、違う道を歩むようになり、挙句
民子の死。
私と妻は、両家の親族も賛成で周囲から祝福され、政夫と民子と正反対の
結婚であったが、民子に妻の俊子をタブらせてこの本を読み終えた。
伴侶を亡くした気持ちがこのような感情を持たせたのかもしれない。
辛い物語であった。高校生の頃はこんな感傷を持たず、一つの悲しい出来事位しか
思わなかったはずなのに、もう80歳が近いというこの年代で涙を溢れさせる。
伊藤左千夫という作家の実体験でないかと思う物語だが、私の心も洗われた。
文中、民子は野菊の花のようであったという箇所があり、野菊は、可憐で優しくて
そうして品格があったと記されていた。
なんとなく、妻も野菊のような女(ひと)であったと思った。

2024.07.04 18:04 | 固定リンク