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東宝ホーム 本社会社案内・IR情報社長の月刊Blog
令和7年7月17日 対極の暮らし

一人になった私の暮らしを心配してくれる人から時々電話やメールをもらう。
どの人も私と同世代で、自分の体力と気力を基準に考えるので、私の生活の困難さ
栄養補充方法などが大変だろうと心配して電話やメールをくれる。
何とかやっている。
今までしたことなかった洗濯もやっている。取りこみも片付けも。
食事も、後片付けも、掃除も、ゴミ出しも、クリーニング出しも、食品など買い物も
何とかやっている。
それに朝、晩の犬の散歩。これは時間制約を受けるので大変な仕事である。
夜の食事会などあるとドッグホテルに預けたり、知り合いにお願いしたり、大変
である。
これも何とかやっている。
できていないのは、掃除機かけかもしれない。掃除機を動かすのが面倒なので、
掃除機は使わない。シュロぼうきで床をはく。埃がほうきの先に集まり、掃除を
している感覚がする。
仕事も迷惑をかけていない程度はやれていると思っている。
仕事の最中には仕事の事しか考えない。
ただ車で各事業所への移動の道中は妻の事を思い、妻の名前を呼んでは、悲しくなり
涙することが多い。
私に電話をくれる相手に心配かけない配慮もあるが、『元気でやっている。大丈夫』
と答える。
ある時、仕事と家事、その間に何もない。対極の生活だねと言われた。
まさにその言葉がぴったりの生活である。生きるために食を中心に生命維持生活、
もう一つは会社発展の道筋をつけるための公的生活。
妻が生きていた時はどうだったのだろう。
対極の真ん中に妻や犬とのものすごく豊かな時間と空間があり、それが明日への活力
源になっていた。
その時間、空間は、潤いという表現がぴったりのような気がする。
潤い、これは人と人の結びつきやふれあいでないと生まれないような気がした。
この言葉の内容を濃くするため人は頑張れるのかもしれない。
関わる相手を心身とも豊かにするために頑張る。
今の私には、潤いという場面がない、しかし妻との50年間の想い出は潤いで一杯
である。この過去の想い出と彼女に心配させないというのが今の自分の気力の源の
ような気がしている。亡くなった妻に心配かけないというのも変であるが、これは
経験した人でないと分からない感情であろう。
今年の9月12日が妻が永遠の旅立ちをして2年目、3回忌である。
8月中旬に松山で3回忌法要を営むことを親戚に連絡した。
悲しさはなかなか去らない、むしろ深まることさえある。
仕方ない、時の流れに従うまで。

2025.07.17 13:05