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東宝ホーム 本社コラム屋根勾配はどう決める?角度によって何が変わるの?

屋根勾配はどう決める?角度によって何が変わるの?

 

屋根勾配とは屋根の角度、傾きぐあいのことです。

 

家づくりを考えるとき、間取りや家の性能などチェックしたいことはたくさんありますが、屋根勾配を気にされたことはありますか?

 

屋根は雨や風から家を守る大切な存在です。雨漏りリスクとも関係があるので、ぜひ屋根勾配について考えてみてくださいね。

 

 

屋根勾配ってそもそも何?

 

 

まわりの家を見渡してみても、なだらかな屋根にとんがった屋根…いろいろな角度の屋根がありますよね。この屋根の角度のことを屋根勾配といいます。

 

屋根勾配を表すのに、分度器で測るような「〇度」は一般的には使わず、日本で昔から使われている建築の単位「寸」を使います。

 

水平距離に10進んだとき、上に3高くなった角度が「3寸勾配」です。4寸勾配、5寸勾配…と数が大きくなるにつれ傾斜がきつくなります。

 

屋根勾配によって何が変わるのかを次の章で解説します。

 

 

屋根勾配が違うと何が変わるの?

 

 

屋根勾配は「屋根の面積・使える屋根材・太陽光の発電量・小屋裏をどのように使いたいか」といったことに関わってきます。勾配によってどう変わるのか確認していきましょう。

 

 

「屋根の面積」が変わる

 

屋根勾配が変わると屋根の面積が変わります。家の模型を見ていると想像してください。屋根部分を持ちあげて勾配をきつくしようとすると、すき間ができてしまいますよね。勾配がきつくなるほど屋根の材料が必要になる、つまり屋根の面積が大きくなるということです。

 

屋根の面積が大きいほど、たくさんの屋根材を使うことに。そのぶん材料費や施工費が割高になります。また屋根が大きいほど、将来のメンテナンスコストも高めになるでしょう。

 

「使える屋根材」が変わる

 

屋根勾配が変わると、使える屋根材が変わります。なぜかというと屋根材の素材によって、水切れのスピードが変わるからです。雨が多いなど地域の特性を考えつつ決めていきましょう。

 

屋根材の種類 必要最低勾配
4寸以上
スレート 3寸以上
ガルバニウム銅板(横葺き) 3寸以上
ガルバニウム銅板(縦葺き) 2.5寸以上
トタン 1寸以上         

 

瓦のように複雑な形状だと、勾配をきつくして水を流さなければなりません。もし瓦をゆるい勾配で設置すると水が溜まって、雨漏りや腐食の原因になってしまうのです。4寸以上の屋根勾配なら、どのような屋根材でも使うことができます。

 

 

「太陽光の発電量」が変わる

 

屋根勾配によって太陽光の発電量も変わります。地域によっても違いますが、発電効率がよいとされる角度は30度くらいといわれています。

 

エネルギーや環境への技術開発に取り組む団体「国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」のデータベースで、お住まいの地域の最適傾斜角を調べられます。例えば最適傾斜角の年平均は、福岡県宗像で25.3度。つまり4〜5寸勾配くらいだと、効率よく発電できる計算です。

 

 

屋根勾配をそのままでパネルの角度だけ変えることはできないの?と思われるかもしれませんが、パネルは屋根の傾斜に沿って載せるのが基本。その方が安全で見た目もいいので、屋根勾配は大切です。

 

 

「小屋裏の広さ」が変わる

 

 

屋根勾配によって、小屋裏の広さも変わります。小屋裏とは天井と屋根のあいだの空間。屋根の勾配がきついほど小屋裏は広く使えます。書斎やキッズスペースにしたり、シアタールームのように趣味を楽しんだり…大人でもわくわくしてしまう空間です。

 

小屋裏をロフトや収納として使うなら、天井高1.4m以下などの条件を満たせば延床面積に算入されません。固定資産税の算定で有利になります。

 

関連記事:ロフトのある家づくりをしよう!便利な使い方や注意点は?

 

 

屋根勾配は大きく分けて3種類

 

 

屋根勾配は大きく分けて「急勾配・緩勾配・並勾配」の3種類。それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。

 

 

急勾配:6寸勾配〜

 

メリット

・雨漏りリスクが低い         

・汚れにくい

・小屋裏を広くとれる

デメリット

・材料が多く必要なため、コストが上がる

・メンテナンスに足場がいる

・風に弱い

 

6寸以上の急勾配の屋根は、雨が屋根にたまりにくいのがメリット。重厚感がでたり三角屋根で印象的な屋根を作ったりと個性もだせます。ただし屋根面積が大きくなるのでコストアップには注意が必要です。

 

 

緩勾配:〜3寸勾配

メリット

・風に強い

・材料が少なく済むので、コストを抑えらえれる

・施工しやすい

 

 

デメリット

・雨漏りのリスクが上がる

・ほこりがたまりやすい

・メンテナンス頻度が上がる

・対応できる材料が限られる

・小屋裏を作りにくい            

3寸以下のなだらかな屋根はすっきり見えるので、モダンな印象にしたい方におすすめ。落雪しにくいので雪国でもよく採用されます。雨漏りリスクが高いので、雨がスムーズに流れる金属系の屋根材がよく使われます。

 

 

並勾配:3〜6寸勾配

 

メリット

・屋根材を選べる

・デザイン豊富

・業者が施工に慣れているのでミスが起きにくい

デメリット

・個性を出しにくい             

 

 

 

もっともポピュラーなのが、3〜6寸の並勾配です。雨漏りリスクからコストまでトータルバランスに優れています。屋根の形としては一般的なので個性は出しにくいとも言えますが、屋根の素材やデザインの選択肢が広がりますよ。

 

 

まとめ

 

家の見た目はもちろんのこと、雨漏りリスクや小屋裏の使い方、太陽光の発電量にも大きく関わるの屋根勾配。

 

普段あまり気にすることがなかった方も、暮らしに大きく関わっていることを実感いただけたと思います。

 

東宝ホームの宿泊体験展示場で、小屋裏空間を使った居心地のよいスペースや勾配天井のひろびろとしたリビングを体感してみませんか。ぜひ住宅の外側、内側から屋根勾配に注目してみてくださいね。

2022.10.26 20:53